児童発達支援・放課後等デイサービス(療育)ってどんな所?

こんにちは!私たち「えびなエールの会」は、海老名市・座間市を中心に、発達凹凸さん、学校苦手さん、ホームスクーラー(不登校)さん、繊細さんなど、多種多様なカラフルキッズの保護者が笑顔になれるように、茶話会やランチ会などでの交流や非公開型のSNSを使って情報交換などの活動を行っています(^^)

 

普段の茶話会ではざっくばらんに悩みや雑談などを話していますが、ここではテーマを決めて座談会形式でお話した内容をお届けします!

 

第3回目のテーマは、

 

【児童発達支援・放課後等デイサービス(療育)ってなに?】です。

 

 

 

「療育」って?

 

発達障がいのある子は、脳の特性により、日常生活に困難さを感じることも多いです。特に保育園・幼稚園、学校などの集団生活になると、辛い思いをしたり、自信を失ってしまうこともあります。

 

そのような困り感を軽減して、子どもが安心して穏やかに暮らせるよう支援すること、それが「療育(治療と教育)」です。

 

療育を受けられる場所は、主に医療機関、児童発達支援センター・児童発達支援事業所(公費補助あり)、民間の療育施設(公費補助なし)などがあります。

 

発達障がいの症状は一人ひとり違うため、専門家によって、親からのヒアリング、本人の様子を観察して、その子のための療育を計画し、カリキュラムを決定します。

 

 

 

 

「児童発達支援・放課後等デイサービス」とは?

 

多くの方が利用している療育施設の一つに、児童発達支援事業「児童発達支援・放課後等デイサービス」があります。障がいがあったり、発達に特性のある子のための福祉サービスです。

 

児童発達支援は、未就学児対象で、幼児教育・保育の無償化により満3歳になったあとの4月1日~就学までは無料で通えます。

 

放課後等デイサービスは、小学生・中学生・高校生対象で、授業終了後や長期休暇中に利用できます。市区町村発行の「通所受給者証」(受給者証)を取得すると、公的補助が受けられ、利用料金の1割が自己負担となります。詳しくは自治体の障がい福祉課にお問い合わせください。

 

 

 

 

<座談会に参加してくれたみなさん>

 

今回は、児童発達支援・放課後等デイサービスを利用している会員さんに、療育内容やお子さんの変化などを、お話ししていただきました!

 

それでは【児童発達支援・放課後等デイサービス(療育)ってなに?】スタートです!!

 

 

 

通い始めたきっかけは?

ふみちゃん 通うようになったきっかけと、活動の様子について教えて下さい。

 

みーちゃん うちの息子は中学生で、放課後等デイサービスの事業所に通所していて、週に1回1時間程、先生と1対1の個別指導をお願いしています。

 

通い始めたのは、小学校5年生の時です。

息子はいわゆる発達障がいグレーゾーンと呼ばれるタイプで、就学時前相談の時に受けたWISCの検査で凸凹があることはわかったのですが、診断はつかなかったためか、「療育」についての説明は受けていなくて。

 

私も名前くらいは知っていたのですが、診断名がついたお子さんが通う施設だと思っていて、通うまでにはなりませんでした。

 

その後、息子が4年生の時に、知り合いから「とてもいい療育があるよ。診断がなくても通えるし、手続きは役所の障がい福祉課でするんだよ」と教えてもらったのですが、その時は正直「障がい」という言葉に少し抵抗があったりして、特に動きませんでした。

 

5年生になって、登校渋りが強くなってきたり、家での癇癪など困りごとが増えてきて、ようやく「専門のところに相談したいな」と思うようになって、勇気を出してその事業所に電話しました。

 

事業所の方はとても親身になって話を聞いてくださり、療育でどのようなことができるのかなどを具体的に教えてもらいました。

 

通所に必要な「受給者証」取得の手続きについても教えていただき、後日市役所に行って手続きしました。

申請結果はだいたい2週間から1か月かかると言われて、うちは2週間程で許可の通知がきました。

(※申請結果の連絡は、市町村や申請の時期によります)

 

 

佐藤さん ソーシャルスキルトレーニング(SST)《*1》と、プリントなどで勉強もみてもらえる放課後等デイサービスに通っています。

 

療育に通い始めたきっかけは、就学前に発達相談に行った病院の医師に、自閉症スペクトラムの可能性を指摘されて、どうすればいいか訊いたところ、療育施設を紹介されました。

その施設に、よくわからないながらに、通いたいと相談したのが始まりでした。その後、ほかの放課後等デイサービスに通うようになり、今もお世話になっています。

 

 

かなさん 療育は週2~3回、3ヶ所の児童発達支援の事業所に通っています。

A事業所では、ソーシャルスキルトレーニングやスイミングのグループ療育、

B事業所では、体操のグループ療育、

C事業所では、音楽のグループ療育をしています。

通い始めたきっかけは、2歳のときに発達障がいと診断を受けたので、できるだけ早く療育や、できることをしてあげたいと思ったからです。

通っている事業所は全て知人の紹介で、A事業所は以前住んでいた地域の、親の会の方から教えていただいて、B事業所・C事業所はエールの会の方に教えていただきました。

子どもに合った教育や

オンライン授業など

幅広い教育をしてくれる

ふみちゃん 子どもに合った教育をどのように行なっているのでしょうか?

 

みーちゃん 息子の場合は、書字や指先の運動など苦手な部分を中心に、本人の興味のあることから学習に繋げていくよう、毎回カリキュラムを考えていただいています。飽きないように、1つのカリキュラムを5分から10分程度、いくつかやっていきます。

 

例えば、〇×文字繋ぎという筆圧を強くする訓練やパズルゲームをしたり、自己紹介のすごろくゲーム(SST)などをしています。

地理が好きなので、山や川、駅名などを漢字で書くことや、パワーポイントを使った架空の旅のしおり作り、グーグルマップで世界遺産探しもしています。

あと飛行機も好きなので、飛行機のペーパークラフトを作ったり、様々な形で訓練していただいています。

 

 

佐藤さん 今はコロナ禍なので、オンラインでお願いしています。

療育は、まず最初にその日にする事を提示され、次に画面を共有して「こういう時自分ならどう思うか」「こういう時自分ならどうするか」「どうすれば気持ちが落ち着くか」などのソーシャルスキルトレーニングや、個別支援計画《*2》に沿った個人の課題を行う時間があります。

 

そして比較的簡単で、本人が解ける量のプリント学習などをして、最後に同じ授業を受けているお子さんや先生と、オンラインでできる遊びをします。

その後、親に対して当日の授業の様子を先生から伝えてもらい、私からも最近の本人の様子を伝えています。

 

 

ふみちゃん このご時世ですので、オンラインで対応してもらえると助かりますね!親子通所でない場合、親が療育を見ることができない場合も多いですし、様子が見れることもうれしいですね。

 

 

かなさん A事業所は毎週同じ曜日、同じメンバーでの親子通所で、子ども5人のグループ療育です。おもちゃで遊んだり、ゲームをしたり、勉強をする中で、スタッフの方がソーシャルスキルを学ぶ働きかけをしてくれます。

それ以外に、都度申し込みをする形のスイミングもあり、体幹を鍛えたり、ルールを学んだりしながら、泳力がつくように個別課題で指導してくれます。

 

B事業所は、体操を通して体幹を鍛えたり、自己肯定感のアップ、自信をつけるようなグループ療育をしています。

内容はマット、跳び箱、鉄棒、トランポリンなどで、たまにビーズや絵の具、お祭りイベントなど変化をつけた企画をしています。

 

C事業所も、音楽を通して楽しんだり、語彙力を増やす活動をするグループ療育をしています。内容はカスタネットやトライアングルなど簡単な楽器演奏、歌、リズムに合わせたダンスなどです。アニメの歌や流行っている曲を使用して、子供たちが興味を持てるように考えてくれているようです。

幼稚園や学校に行けるように

 

柔軟に対応してくれる(^^)/

ふみちゃん 幼稚園や学校はどうしていますか?

 

みーちゃん かなさんのお子さんは幼稚園も行っているよね。

未就園児対象の児童発達支援は、平日午前中に活動していることが多いと聞くけど、幼稚園はお休みしているんですか?

 

かなさん 年少の時は休んで通っていたけど、年中からは、活動時間に合わせて遅刻や早退して通っています。

あと幼稚園が終わった後の時間帯にある、放課後等デイサービスのグループに入れてもらったり、土曜にも通ったりしていますね。

 

ふみちゃん とても柔軟に対応してくれるんですね!

 

みーちゃん うちも不登校になって、通常は放課後の時間にあるのを、午前中の時間帯に変更してくれました。すごくありがたかったです。

 

ふみちゃん 学校をお休みしていると、どうしても生活時間が崩れがちになるので、通う時間を午前中にできると、生活リズムが整いやすいですね!

決まったルールに子どもを合わせるのではなく、子どもに合わせて考えてくれることが、本当にありがたいですよね。

子どもに合った個別指導計画

 

先生とお話して

目標を設定できる♪

ふみちゃん 少し話が戻りますが、佐藤さんのお話にあった個別支援計画。それはどうやって決めるんですか?カリキュラムや目標は、親から意見を言うことはできますか?

 

 

みーちゃん 年に2回、面談があるので、そこで取り入れてほしいことや伸ばしてほしいところなどをお話して、目標を決めています。

毎回のカリキュラムは、基本的に担当のスタッフの方が決めてくれますが、お願いして、苦手だった算数の課題を入れてもらったこともあります。

 

今はコロナ禍で立ち話程度しかできないですが、本来は迎えに行ったときに10分、活動の振り返り報告を聞けるので、その時に相談もできます。

少しの時間でも直接会ってコミュニケーションが取れたり、情報交換もできてありがたいです!

 

ただ、子どもには負担になってしまったので、申し訳ないけどやっぱり止めてくださいってまたお願いしたり。けっこう意見を取り入れてもらっています。

 

 

佐藤さん うちも年2回、前期と後期に個別支援計画について面談しています。前回設定した目標に対しての評価や、新たな目標を決めたりします。

毎回の活動内容については、担当制ではないので、複数の先生が目標に沿った内容を用意してくれます。

 

 

かなさん 親子通所の事業所については、様子が見れるので、困ったり気になることや支援してほしいことは、活動のときに話すことができます。

あと、無記名の利用者アンケートがあって、そこに書いたりしています。

 

預ける形の事業所では、連絡ノートや電話でやりとりしています。

今はコロナで開催していませんが、年1回活動を参観できる日もあるので、そこで様子を見てお話できることもあります。

通うことで自信がついたかも!

 

寄り添ってもらえて親も安心♪ 

ふみちゃん 通うことで良かった、成長したと感じることなどはありますか?

 

みーちゃん 息子は不登校になっていたので、居場所ができたことが一番大きかったです。あと、理解してくださる先生に巡り会えたこともよかったです。

私にとっても、発達に関する専門のスキルを持った相談相手ができたことは、本当に安心しました。

 

それから、少しずつではありますが、自信や自己肯定感の向上につながってきていると思います。もっと早く通えばよかったと思います!

 

佐藤さん プリント学習は、本人にとって比較的簡単な問題を解くので、成功体験の積み重ねができて、自信がついたと思います。

 

また半年ごとに、家族や本人からアンケートを取るなどして、個別支援計画を立てて、それに沿ったソーシャルスキルトレーニングなどを取り入れてくれるので、その時困っている事の解決の糸口が見つかることもあります。

どうすれば良いか練習出来るので、一つしかなかった本人の行動の選択肢が増えて、通ってすごくよかったと思います。

 

親の私にとっては、みーちゃんと同じで、ひとりで思いつめなくてよくなったことが大きいです。

 

かなさん 今通いはじめて4年たったところですが、個人的には格段に変化したと思います。

通う前はどこにいっても問題ばかりで、周りの人からしつけができていない、などと言われて辛かったです。

通って2年目くらいまでは、帰りたがって泣きわめいたり、癇癪や物にあたる、友達とのトラブルなどがあったのですが、3年目からはそういったことが減りました。

幼稚園の先生からも、特に問題を指摘されることもなく、事業所のスタッフの方や、幼稚園の先生、周りの人から褒められることが多くなり、本人も自信がついて、さらによい行動が増えるというような流れもできて、今は落ち着いて過ごしています。

親としても、すぐに相談できるところがあるのは、とても安心感がありますね。

予約して待つ時間が必要な相談機関や、病院の医師への相談は、少しハードルが高いので、気軽に相談できる場所ができて、ありがたいです!

                                 

ふみちゃん みなさん「相談できる場所ができてよかった」ということが共通でしたね!

市などの相談機関や病院では、専門性が高い内容や、医療が必要な場合には利用したい場所ですが、子どもの特性をよくわかってくれている方に、すぐに気軽に相談できる、という点で、身近な児童発達支援・放課後等デイサービスはありがたい存在ですね! 

 

今回も貴重なお話をありがとうございました!

第3回座談会は、これで終わりにしたいと思います。

この座談会が、子育て中のみなさんの参考になれば幸いです。

 

 

※    各施設での支援や取り組みにつきましては、その施設やお子さん、個々の状況により対応が変わってくる場合があります。あくまでも経験談として参考になさってください。

《 用語解説 》

 

*1 ソーシャルスキルトレーニング(SST)

周囲の人と円滑にかかわるために、ルールの理解・感情のコントロール・相手の感情を理解するための知識や技能を訓練すること。絵カードなどを使い、約束やルールを示したり、実際の状況を想定して対応を練習したり、適切な行動ができるようにトレーニングする。

 

 

 

*2 個別支援計画

どのような特性や課題を持っているのかを明確にし、子どもと保護者のニーズや関心に合わせた、生活能力向上・社会との交流促進を目指すための計画書。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

えびなエールの会では、このようにざっくばらんに茶話会でお話したり、非公開型SNSの「band」というアプリを使って、情報提供や質問・雑談なども行っています。

興味のある方はこちらまでお気軽にお問い合わせください。

 

 

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