今回ご紹介するのは、世界中のたくさんの言葉を自然習得する活動をしている、黒木 眞理(くろき まり)さんです。黒木さんは英語を勉強しても全く話せないことに悩んでいた時にヒッポに出会い、一緒に始めた子ども達がすぐに外国語を話せたことに衝撃を受けたとのこと。活動の内容や、黒木さんの子育てのことなど色々聞いてみました!
――― ヒッポファミリークラブでの黒木さんの活動を教えてもらってもいいですか?
普段の活動は、毎週土曜日の14:00-16:00に、赤ちゃん連れから大人まで10家族くらいが参加しています。「人間なら誰でもいくつでもことばが話せるようになる」というチャレンジをしています。ヒッポファミリークラブでは、
・テストが無い
・クラスわけも無い
・宿題も無い。
先生もいないから、みんなが主役になって、言葉を自然に習得できるような環境づくりをして、大人も子どももコミュニケーション力をつけていきます。私は、そこで先生では無いですが、みんなの意見を取りまとめたり、活動の進行役をしたり、メンバーが楽しく活動を続けられるようなサポートをしています。
――― 先生がいないというのは驚きですね。教育界でもアクティブラーニングなど、能動的に学ぶことができるような授業の必要性が言われていますが、それに近いものを感じました。
具体的に黒木さんはどのようにサポートするんですか?
例えば、ヒッポファミリークラブでは国際交流も盛んに行われていて、小学校5年生から一人でもホームステイに行くプログラムがあります。その子達の準備をサポートするのもその一つです。
準備っていうと「荷物」の準備って思いがちですが、私たちは「相手と仲良くなるためにどうしたら良いか」の準備をします。心の準備、ことばの準備、自分を表現する準備など色々あります。その一つとして、自分自身のことに気づいてもらえるようにサポートしています。
「引っ込み思案」が短所だと思ったら、
「ホームステイ先の家族と仲良くなるためにはどうしたらいいかな?」
「自分が受け入れる側ならどう思う?」とか。
苦手なことが見つかった時は、チャンス!その親子がどう問題をクリアしたらいいか。子どもが主体的に考えられるようにサポートしたり、仲間の体験談をたくさん聞く中で見つけることもあります。
そして、帰ってきたら、丸ごとその子の体験を受け止められる場をいっぱい作ります。 体験しただけでは、自分の体験にはならないんです。体験を自分の言葉にすることで、その体験にだんだん意味がついてくる。そこに意味があることを、自分自身で気づいてもらえるよう、たくさん話を聞く場を作っています。
――― ホームステイ一つとっても、やることたくさんあるんですね!「ホームステイに行ってお終いにしない」。それって大切なことだと思いました。それ以外にも黒木さんは地域でたくさんのボランティアをされていると思いますが、その活動を教えてもらっていいですか?
一つは、「小学校の絵本の読み聞かせ」です。娘が小学校に入った当時は「絵本の読み聞かせ」がなかったので、担任の先生に交渉して絵本の読み聞かせを始めました。海外の絵本も外国語で読んだりしますが、子ども達が「わかんなーい」って言うことは無くて、すごく目をキラキラさせて聞いてくれて「子ども達の受け入れる力ってすごいんだな〜」って感動するし、元気をいっぱいもらえるのが楽しいです。
それから、「赤ちゃんフィールド」という未就学のお子さんを抱えたママ達の交流の場を定期的に開催しています。ここでは、子どもの言葉や振る舞いについて発見したことをみんなで色々とシェアする場です。赤ちゃんがまわりで飛び交っている言葉が話せるようになるプロセスには秘密がいっぱい!これに気付くと、子育てが何倍も楽しくなりますよ。
あとは、「国際理解授業」を小学校の1授業として座間市や厚木市でやってきました。また、学校から外国籍のお子さんのフォローの依頼をいただくこともあり、私自身が伺ったり、外国にルーツを持つママに繋いだりもします。
それから、日本で暮らす外国籍の子やご家庭のサポートもやっています。インドネシアから研修のために日本に来ている10-20代の子達のサポートでは、日本のお母さんとして、家にその子を招いて誕生日会をやったりしました。帰っていくときのお別れ会では「帰りたいけど、帰りたくない」って泣いてくれた子もいて、みんなで支えてあげられてよかったって思っています。
――― 本当にたくさんの活動をされていますね!
その活動の原点は何だったんですか?
私は、子どもが生まれるまでずっと働いていて、子どもが生まれた時に仕事を辞めたので、周囲にママ友達が一人もいないまま、子育てをしてきました。子育てってわからない、でも誰にも聞けない。どうしようって、毎日思ってて。
その時にヒッポに出会って、多世代の中で子育てができて救われて、子育てが楽しいと思えるようになりました。また、子育てで私の人生は終わってしまうと思っていたのがママになってからも、チャレンジできることはたくさんあるし何でもやってみないと分からない!と思えたことがたくさんありました。それを地域に還元したいと思って色々活動しています。
――― 私たちもボランティアとしてZamaKOPを継続していますが、
活動を続けていくポイントって何ですか?
どの活動も、相手のためだけを思うのではなく、私自身も「相手のことを知りたい」って思うので、この活動は自分のためでもあると思います。例えば、居場所があるって楽しい、人と繋がれるって楽しい、ってこの活動を通して思えるのも大きいです。
そして、「やる」、「やらない」だったら、「やる方を選ぶ」。
・今、この瞬間を丁寧に生きたい
・目の前の人を大切にしたい
・自分が見て、体験したことを大切にしたい
多言語をやると、多様性が活かされることもあって、色々な人の多様な部分を受け入れながらお互い成長していけると感じています。
――― 黒木さん、ありがとうございました!
最後に子育て中のママ・パパに伝えたいことはありますか?
自分だけで頑張ろうとしないでほしいです。パパ、ママも素晴らしい存在です。つながりをたくさん作って、今、限られた子育ての時間を楽しんでください♪
居場所が見つかったり、人と繋がれたりすると、子育てはラクになるし、とても楽しくなります。
日々の子育てが本当に大変で子どもに時間を割くことが多いと思いますが、私たち親もまだまだこれから輝けます。子育てももちろん大切だけど、ママもパパも、自分が楽しめる時間も大切にしてください。ことばのことで悩んだら、赤ちゃんフィールドにいつでも体験で遊びに来てくださいね。
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ありがとうございました!
学びってたくさんあると思いますが、黒木さんの活動は、子どもにただ教えるではなく、子ども自身が学べる環境づくりをサポートしていて、とても素敵な活動だと思いました!
そして、日々の活動は「『活動』として特に名前がついていないです」と笑顔で話される様子を見て、日々の生活の中に溶け込んでいるんだと感じました。
これからも素敵な活動が継続していけるように応援していきたいと思いました!
黒木さんの活動の詳細はコチラから
↓↓↓↓↓
https://www.instagram.com/hippo_kanagawa_zama
公式LINEアカウント
↓↓
黒木 眞理(くろき まり)
一般財団法人 ヒッポファミリークラブ座間主宰
元々英語を中学から10年間学習するも全く喋れなかった(中学から英語の授業、学生英語塾、社会人英語塾、米軍キャンプでも学習)。やればやるほど間違いが怖くなり、話せないのは自分の努力が足りないと思っていたときにヒッポファミリークラブと出会った。ヒッポに入ってすぐに話せるようになった子ども達を見て、これまでの経験が音を出して崩れる衝撃を受けて以降、25年所属している。
受け入れした国はロシア、中国、フランス、インドネシアなど20カ国 50家族
ホームステイした国は韓国、フランス、イタリア、メキシコ、ロシアなど
【好きなこと】
楽しいこと、誰かと何かするのも一人で何かするのも好き
韓国ドラマ、映画
家族や友達とワイワイ、料理
読書、温泉、キャンプ
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